最近昼間はミックスと動画、ブログに追われていますが夜、寝る前になぜか昔の音楽が聴きたくなり、YouTubeをチェックしています
その中で特にハマっているのは95、96年のアングラヒップホップです
ヒップホップ史上、一番ローファイで憂鬱な時代。今も結構憂鬱ですけど。
94だとまだ元気なんです。97になると音が綺麗になり、メロディックになる
Windows95がその名の通り95年だろうから、パソコンがヒップホップのミックスに広く使われるようになる過渡期でしょうか
しかし95、6年は何というか、、、音楽とは言い難い曲が多い
ループさせるにしても単調かつアブストラクトな感じで、多分当時の機材の関係もあるんでしょうが、サンプリングタイムが短いせいか、素材がミニマルな感じ
リズムだけ、というと言い過ぎですが、メロディーとハーモニーは最小限という感じで、音楽というより、工芸品に近い感覚です
音もはっきりしない、曖昧な輪郭で、メロディの境目や響きはモヤッとしてる
これまでのやり方がついに行き詰まり、崩壊して、次の時代に移る寂しさ、嵐の前の静けさ、夜の雰囲気があります
当時私は高校1年とかで、djを始めたばかりだったはず
でもこういう音楽ばかり聴いていたかというと、違います
小遣いの中からでは、もっとポップな、スヌープドックとかswvとかぐらいしか買えなかった(mobb deepは友達に借りて聴いていた)
大学に入って、アルバイトをするようになって、あらためてこういう曲を集め出した感じでした
何となく音質が好みだったとか、好きなdjのミックステープに収録してあったという、よくある理由です
そして今、YouTubeでほぼ無限にタダで聴けるようになって、あらためて当時のアメリカのラジオとか聴いてるわけです
前から気になっていた95、96年という時代の音響や雰囲気が、ようやくはっきりわかってきた感じです
驚くべきことに、またすっかり忘れていた記憶では、当時はまだカセットテープは主要メディアの一つでした
CD全盛になる少し前、ウォークマンとか普通で、CDウォークマンなんてまだ出てきたかどうかという感じ
このテープに、どうやってカッコ良く録音したらいいんだろうと、当時の音響技術の専門家たちは心血を注いでいたことでしょう
だからこの時代の録音物のローファイ感は本物で、一つの金字塔であり、参考にすべき指標、目標だと思います
いい音、というのは最終的に人間が判断することで、再生機器やテクノロジーが変化していても、それらの組み合わせの中で最もよく聴こえるようにセッティングすることの方が重要です
だから、CDだから音がいい、とかアナログこそ至高、みたいな考えに私は賛成できません
それぞれの媒体に合わせた適切な処理ができるかどうかが全てです
今や作曲エフェクトプラグインのプリセットにはcd-rの音やmp3を再現したものまであります。もうmp3も過去のものになりつつあるということでしょう
と言いつつ、なぜ私はパソコンで、わざわざテープのような音を作るのに一生懸命になっているんでしょうか、、
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