最近リミックスコンテスト用にカントリーのリミックスを作ったのですが、珍しく批判のコメントをいただきました
珍しいというのも、普段はそのコンテストには作曲家しかいないので、コメントと言っても、NICE!みたいな当たり障りのないものばかりだからです。
いつも通り、アカペラをトラップとかそういう感じのビートに載せ替えてアップしたら、ドラムがバチばちで台無しだ、というコメントがつきました
しかも作曲家じゃなくて、リスナーでした。おじさんのリスナー。きっとリミックスの題材になったカントリー歌手のファンです
他の作曲家にも、いくつか、別の人からのコメントですが、批判的なコメントが
例えば、、、お前を攻撃するつもりはないが(人がこう書く時、攻撃が始まる)このリミックスはカントリー歌手とR&Bの連中がつるんでるみたいな曲だ、とか
なんだろうと思って考えて、ハッとしました
カントリーとヒップホップ系の音楽は、混ぜるな危険だったのです
白人を代表する音楽と、黒人を代表する音楽
ビヨンセがカントリーを作って批判されたことをもっとよく考えておけばよかったと、反省しました
イデオロギーや政治的な対立も深まって、みんなピリピリしてる真っ最中でもあります
もしあなたが音楽で生計を立てたいと思っているなら、政治と関わるのはやめた方がいいです
テイラースイフトなどがハリスさんを支持する、みたいなニュースを見ると、自分も政治にコミットすべきなのかと思うかもしれませんが、それはとても危険で、もしハリスさんが落選したら、下手をするとキャリアを失ってしまうことになりかねません
これは大袈裟ではありません。政治の世界は、考えているよりも厳しいものです。裏切り者や敗者には死あるのみ、と言っても過言ではありません。
ラッパーでプロデューサー、ヴィトンのデザイナーでもあるファレルさんのように、俺は政治とは関係ない、個人が政治的な意見を持つことと、音楽やキャリアに政治を結びつけることはイコールではない。というスタンスでいることです
というわけで、カッとなって喧嘩腰にならずに、素直に謝りました
彼は悪人ではなかったらしく、フォローまでしてくれたので、よかったです
ちょっと違いますが、マイナーでガチ勢の多い音楽も要注意でしょう
アブストラクトとか、アンビエント系も実はガチ勢が多いので、気をつけないと、無用な批判を受けることになります
そういえば昔日本にヒップホップが入ってきた時も、それはそれは排他的な雰囲気でした
DJやラップをやらない奴はヒップホップっぽい服を着ちゃダメ、お店に行っても、確認されて、ニワカだと売ってくれない、とかありました。今では考えられないことです
でも、自分を振り返ってみても、なんだか気持ちはわかる部分もあるのです
お前は俺たちのヒップホップのことをわかってねえ!みたいな感情
まあ、黒人のものであって、アジアの俺たちのもの、とは言い難いのですが、当時はすっかりその気になっていたというか、そう言わないと自分達が偽物になったような気分でした
意地悪な言い方をすると、黒人様、俺たちはヒップホップをちゃんとわかっていますけど、あいつら何にもわかってねえんで、いっちょシバいておきますんで、今後ともよろしくお願いしやす、みたいな権威主義もあるのかもしれない
実際アメリカに行って、現地の黒人からお前はヒップホップのことをわかってないから、これは売れないよ、と言われた人もいたそうですから、それごと真似して持って帰ってきたのでしょうけれども
それまで真似して、同じ日本人同士でやり合っても、意味がないというか、売ってる本人だって、黒人と共通の気持ちはあるかもしれないけど、心の底から理解はできていないし、やはり借り物の文化なので、ちょっとズレてるなと思うわけです
ちょっと前に、KREVAさんと演歌歌手、名前は失念しましたが、大御所です。それとギターのミヤビさんのコラボをテレビで見ましたが、正直言ってひどいと思っていました
GLAYとエクザイルのコラボとかも見ていられなかった思い出があります
私にとって、それらの組み合わせは、混ぜるな危険だったということでしょう
ただ、今になって思うのは、だからと言っていつまでも混ぜないわけにはいかない、ということです
批判を恐れていては何も変わりません
ロックが日本に入ってきて、すっかり日本風にアレンジされ、ミスチルとかビーズになったみたいに、何かもっといい方法があるはずです
演歌とロックとラップだって、上手くやればもっとカッコよく融合できると確信していますし、GLAYとエクザイルはイマイチだったけど、ワンオクぐらいまで昇華できればかっこいいし、それらは分断されておらず、延長線上にあるものだと思います
既にラップはポップスにうまく入ってきた感じがありますし、試行錯誤を続けていけば不可能ではありません
今はまだ、私の腕前が未熟なだけで、これからも鍛錬を続けていけば、きっとうまくやれると信じて、みなさんと一緒に、頑張っていこうと思うのです
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