外へ行って、まあ、家の中でもいいのかもしれませんが、環境音を録音することをフィールドレコーディングと言います
マニアになると、鉄道オタクのように、危険を冒して滝のそばみたいな危ない場所、で大掛かりな機材を持ち込んで録音するような人もいます
フィールドレコーディングは耳のエクササイズとしても有効ですし、音楽に対する考えを豊かにしてくれる活動です
昔、アンビエント音楽の作曲家が、港の海沿いで座って、ぼーっとしていました
波の音、鳥の声、風、自然の音が聞こえてくる中、そばにある船のエンジンがかかります
ぶうん、というエンジン音
自然の中のある人工物の音を聴いて、これこそがアンビエント音楽だ、と思ったそうです
アンビエント音楽は、音楽自体はなるべく主張せず、環境や生活の中に、すんなりと溶け込む音楽で、家具の音楽などとも言われます
情景や行動を伴うシーンの印象を後押しするBGMとは違います
エレベーターの無言の緊張感を和らげるエレベーターミュージックとも違います
瞑想用のスピリチュアル音楽とも、やはり少し違うでしょう
海沿いで聴く、ボートのエンジンの音、くらいの塩梅の音楽なのです
このことを踏まえて、早速、フィールドレコーディングに出かけましょう

動きやすい服装で、ハンディーレコーダーと、風よけのハンカチ的な布があると良いでしょう
この風が結構厄介者で、対策しないとかなり耳障りなボー、という雑音が入ります
ハンディーレコーダーは安いものでは1万円ちょっとからありますので、予算に応じて揃えてみてください
もしレコーダーがなければ、スマホでも構いません
録音アプリ、もしくは動画撮影モードで動画ごと収録することになり、音の方はモノラル録音になってしまうので、空間の広がりはありませんが、フィールドレコーディング自体を体験する分には問題ありません
とにかくやってみよう、の精神が大切です
何を録音すればいいのかわからない方のために、いくつか例を挙げておきます
鳥の声、川の音、駅前のざわめき、自動販売機やエアコンの室外機の機械音、改札付近の音、会館やホールの響き、飲食店の食器の音
録音が禁止されているところもありますので、場所のルールとマナーを守って、他の利用者の方に迷惑がかからないように気をつけましょう
駅のアナウンスの声を録音したいからといって、スピーカーの近くに陣取って通行人の迷惑になる人もいます
そういう行為は控えましょう
わざわざ録音しなくても、散歩に出て、普段から耳を澄まして音を聴いているから大丈夫
しかし手間をかけ、道具を持って録音すると、普通に耳を澄ますよりずいぶん集中できます
家に帰ってから聴きかえすと新たな発見もありますし、作曲中、アンビエント音楽に限らずふとした時に曲に使うこともでき、何かと重宝しますので、ぜひトライしてみてほしいと思います
今日は雨が降っています
フィールドレコーダーにとって、雨の音は楽しみの一つ
いつもと違った心地よい音が録音できますから、ぜひ試してみてください
何か決まったものの音を録音する以外にも、全体の響き、距離感、タイミングなどに注目するのも重要です
会館やホールなどではリバーブの響きが録音できますし、都会の雑踏では人々が動きながらおしゃべりをしているので、前後左右の定位を感じるトレーニングにもなります
私は今回、色々なシーンでそれぞれ1分ずつ、録音しました
やり方は自由、レコーダーを持ったまま30分歩く、といった方法もありますし、色々チャレンジしてみると良いでしょう
今回は、フィールドレコーディングについて考えてみました
みなさんもぜひ、挑戦してみてください
関連記事
コメントを残す