ボーカルに限らず、ギターやピアノ、ドラムなどでも音量にバラツキがあるのはよくあることですが、みなさんどう対処していますか
結論から言うと、どのような状態なのかを把握して、その都度適切な対応が求められる、というフワッとした感じになるのですが、もうちょっと深掘りして考えてみましょう
明らかなミスであったりして、一部分が聴きにくい場合、その部分の波形を切り取って、音量を調節し、薄くリバーブでもかけておけば大丈夫でしょう
もし可能であれば、パンチイン(間違った箇所の直前から録音すること)での録音し直しも有効です
もう一つのケースとして、明らかなミスではないが、なんだか音量が不安定で、全体として聴きにくくなっている場合
これはコンプレッサーという音を圧縮するエフェクターを使うのが思い浮かぶのではないでしょうか
コンプレッサー(略してコンプ)は、音の大きい部分に圧力をかけて小さくします。それからその小さくなった分だけ、全体の音量を上げてやると、元々小さかった部分も底上げされて音量が揃って聴きやすくなるというわけです
しかしコンプには弱点もあります
小さい音が何でもかんでも底上げされてしまうので、息を吸い込む音や、サ行、パ行などのあまり大きくなってほしくない音まで大きくなってしまいます
そのようになってしまうと、困ってしまって、細かいパーツの波形を切っては音を下げる、、といった実に面倒な作業をしてみたり、ディエッサーというボーカルのサ行の辺りの音域を潰すエフェクターを使ってみたり、、、
でも、いじればいじるほど、意図しない嫌な歪みが出たり、細やかなニュアンスはおかしくなっていきますから、どうもうまくいきません
あまりコンプ頼りせず、そもそもの録音の段階から、なるべく良いテイクを録音できるようにすることが大切ですし、コンプをかけるとしても、慎重に、控えめにしましょう
それで多少聴きにくさが残ってしまったとしても、伴奏を完成させて、冷静になって聴いてみると、意外とうまく聴こえたりしますから、あまり細かい部分にこだわらずに、まずは全体として大きく作業を進めていくのがコツです
同じような問題はマスタリングで音圧を稼ごうと思った時にも発生します
ですから、ボーカルが入っている曲は、インストやビートだけのトラックよりも、控えめにする必要があります
やはり、ボーカルが主役です。伴奏よりも優先して考えてあげると良いでしょう
伴奏から先に作曲する場合でも、ここはボーカルには小さく歌ってもらおうとか、サビで伸びやかに大きな声で歌ってもらおう、など、曲の展開として音量にバラツキがある場合には音量を揃える必要はほとんどありません
曲の展開において、コードやキー、リズムパターンなどと同じく、音量も大切な要素です
音量をうまくコントロールして、曲を通じて伝えたいことをどんどん表現していきましょう
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