3次元として立体感のあるミックスの作り方を考えよう〜縦の広がり編

結論から言うと、立体的なミックスとは、リバーブめっちゃかけて、パンで広げて、高音と低音をしっかり出せば、OKです

さあ、詳しく考えてみましょう

3次元

中学校くらいで習ったでしょうか

縦、横、奥行き

まずは

高い音ほど、上から再生され、低い音は下から再生されます

  • よく言われるのが最高音を出しすぎるとキンキンして耳障りだからあまり出すな
  • そして最低音を出しすぎるととモコモコするからあまり出すな

ということです

確かにそうなのですが、ここに、落とし穴があるのです

中音域の罠

上下にしっかり音が出ていないと、中音域ばかりで、ペラッとして軽い、もそっとしたはっきりしない、横ばっかり広い空間のミックスになる危険がある、と、言えるでしょう

正方形にする必要はないかもしれませんが、せめてパソコンの画面くらいの縦横比率で感じたいものです

たまにYouTubeでやたら横長の動画がありますが、なんだかとっても狭い空間にいるようで、落ち着かない気持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか

これを解決するには、鳴らす頻度を減らせば良いのです

私のソフトでは、下は10ヘルツ、上は22キロヘルツまであります

10ヘルツでずーっとサブベースが大きく鳴りっぱなしだと、さすがにきついものがありますが、1小節に一度だけ、ボンっと短く出るといいアクセントになります

サブベースの美味しい周波数は30〜50ヘルツあたりですが、そこを狙って音を出すと、しっかり一番下まで音が出ます

キックドラムは50〜120くらいまでが範囲ですが、これも低音をできるだけイコライザーなどでブーストして、曲中のブレイクの部分に10秒くらい挿入するなど、構成を実験してみると良いでしょう

お手持ちのスピーカーで低音が聴こえない場合は、サブウーファーを導入したり、イヤホン、イコライザーで視覚的にも確認し、さまざまな環境でも意図した音から大きく外れないようにしましょう

これは、どの環境からでも、同じ音が出る、という意味ではありません

大きなスピーカーの方が、当然、ブンブンと、迫力ある音が鳴りますから、どのスピーカーでも、自分が聴かせたい雰囲気が保たれていること、これが重要です

続いて高音ですが、皆さんは、どんな楽器が思い浮かんだでしょうか

ハイハットを考えたのではありませんでしょうか

私がここで、積極的に提案したいのは、スネアです

ハイハットは金属音なので、キンキンと耳障りになりやすく、しかもシャカシャカとたくさん鳴らす必要があります

ですからハイハットは10キロヘルツから15キロくらいで抑えておきます

基本的にスネアはハイハットより鳴らす回数が少なくて済むので、こちらで高音域を稼いでみましょう

一般的なスネアを見てみましょう

10kから上も控えめですがちゃんと出ています

もっとしっかり出ているものも多いですから、そういったスネアはそのまま使えば良いのです

が、曲によっては、ビンテージ、ローファイなムードを出したいので、あんまりはっきり高音を出したくないなあ、ということも、あるのではないでしょうか

例えばこういうスネア、ビンテージな雰囲気を出すために、高音域がカットされています

まず申し上げたいのは、あえてこういうスネア、あるいはもっとガッツリ高音をカットしたスネアを使って、高音域が出ない曲を作っても、それはそれで、良いのです

表現そのものは自由なのです

高音がない音楽は、一般的にローエナジーの、元気のない、よく言えばチル系の、音楽になりますから、そういう表現がしたいのであれば問題ありません

しかしここでは、高音がないと見せかけて、実は高音が出ているという、夢のようなテクニックを、特別に、ご紹介します(私と、あなたの、秘密です)

それは、ノイズをのせるということです

あなたがもし、abletonを使っているのなら、erosionというエフェクターで、スネアがなっている時だけ、ノイズを乗せることができます

これで、高音域18キロヘルツにノイズを足してあげますと、以下になります

どうでしょうか

高音域がグッと、持ち上がりました

あるいは別売りのプラグインでも可能です

ネイティヴインストゥルメンツ社のBITE

こちらはノイズを乗せるというより、サウンドの解像度(ビット)を変化させるプラグインです

これを使うと以下になります

では、肝心のサウンドはどうなったでしょうか

高音が出ていても、全然違う音になっていたら、本末転倒、意味はありません

ノーマルスネア

erosionをかけたスネア

BITEをかけたスネア

どうでしょうか

もちろん音は変化していますが、かなり自然ではありませんか

少なくとも、キンキンして聴きにくいということはないはずです

今回は、ミックスにおける縦の広がりについて、考えてみました

もっと良い方法は、きっとあるはずです

皆さんも、ぜひ色々実験してみては、いかがでしょうか

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